来店客数を測定して、実店舗とオンラインのマーケティング戦略を統一するためのヒント

実店舗での購入に至ったオンライン活動を可視化するうえで来店客数の測定が役立つ理由と、その方法をご紹介します。 

CBREの調査によると、アジア太平洋地域における実店舗での売り上げは、2026年の段階でも依然として全体の大部分(65%)を占めると予想されています。そのため、オムニチャネル戦略を採用して実店舗とオンラインの両方で消費者にリーチすることが不可欠です。
実店舗とオンラインのマーケティング戦略を統一するための方法はたくさんありますが、こちらの記事でご紹介しているように、その一つが来店客数を測定することです。この記事ではそちらについて解説します。

来店客数を測定できる仕組み

どうすれば来店客数を上手に測定して顧客の行動を理解し、実店舗での指標と照らし合わせた上で、個々のキャンペーンの成否を評価できるのでしょうか?ふさわしいデータを収集し、それを分析して実用的な情報に変えるには、いくつかの手順を確立させる必要があります。

来店客数を測定するための中心的なステップは次の4つです。

1) 測定可能な目標を決める

どのマーケティング活動でも同じですが、来店客数の追跡を開始する前に、キャンペーンで達成したい目標を明確にしておく必要があります。例えば次のような目標が考えられます。 

季節限定のキャンペーンの効果を高める。

販売につながるトラフィックを増やす。

特定のカテゴリーの顧客数を増やす。

顧客を特定の店舗に誘導する。

顧客の生涯価値を高める。

明確で測定可能な目標を決めることで、重視すべき目標を洗い出して、その進捗状況をより正確に追跡できるようになります。

2) データを収集する

来店客数を測定する最初のステップは、キャンペーンと実店舗での出来事に関するデータを収集することです。まず、オンラインでキャンペーンを目にした消費者を特定する必要があります。その後、実店舗を訪れた消費者については、スマートフォンの位置データにアクセスできるパートナーを使用して店内で追跡する必要があります。 

大切な点ですが、位置データの収集と処理は合法的かつ同意の上で行わなければなりません。

3) データを分析して、それに基づいた計画を立てる

データを合法的に収集したら分析し、広告表示グループとコントロールグループとの間で来店客数の伸びを比較します。これにより、次のキャンペーンの効果を高められる実用的な分析情報を引き出すことができます。

4) 活用とパーソナライズ

取得したデータを活用しましょう。パーソナライズされた広告は一般的な広告よりもエンゲージメント率が高いことが判明しています。顧客をセグメント化し、ユーザー属性だけでなく、好みや、カスタマージャーニーとファネル上での位置に合わせて広告をカスタマイズすることは当然の流れだと言えます。クリムタンのようなパートナーの助けを借りてDCOキャンペーンを実施すれば、広告のパーソナライズも簡単です。 

カスタマイズされた特典で顧客を引き込み、リピート客を差別化することで、ロイヤルティと繰り返しの購入を促進することもできます。 

来店客数の測定から分かる2つの重要な事柄

ここまでは、来店客数の測定が大切な理由について大まかに説明してきました。では次に、来店客数を測定する具体的なメリットをいくつか見てみましょう。

1) 自社にとって最適なメディアを特定できる

オムニチャネルキャンペーンにはポテンシャルもありますが、課題もあります。最大の課題は、多くのメディアオプションがある中、限られた予算をどれに費やすべきかということです。 

メディアオプションには、ネイティブ、ディスプレイ、ビデオ、コネクテッドTV(CTV)、デジタル屋外(DOOH)、オーディオなど多数あります。

来店客数の測定結果を上手に活用することで、どのオンラインタッチポイントが店舗への誘導に成功しているかを把握し、それに応じてキャンペーンを調整できるようになります。どのメディアがROAS(広告費用対効果)の向上に貢献しているのかをより具体的に把握できれば、その分野の予算を増やして、より大きな成果を達成できます。

2) 顧客についてより詳しく理解する

来店客数を測定することで、消費者のオフライン行動について次のような貴重な分析情報が得られます。

  • 来店あたりのコスト
  • 消費者が訪れる店舗と競合店
  • 店舗内での滞在時間
  • 来店の曜日と時間
  • 来店頻度
  • 人口統計や使用デバイスといった、オーディエンスに関するインサイト

これらの情報により、ビジネスおよびマーケティング分野において、より戦略的な意思決定が可能になります。

来店客数の測定でクリムタンがお役に立てる分野

来店客A/Bテストを実施することや、競合店舗をジオフェンスしてクロスオーバーを測定することで、デジタルキャンペーンの効果を測れます。

まず、測定したいブランドと競合店の所在地をお伝えいただければ、当社で測定の準備を開始します。 

その後、キャンペーンが開始されると、クライアントの指標に基づいて最適化されます。クリムタンでは広告を見て来店したデバイスを測定(コントロールグループのA/Bテスト)できるほか、キャンペーンの終了から1~2週間後に来店レポートをお届けします。 

実際のクライアントの例:日本全国で12店を展開する家具の世界チェーンが、オンラインと実店舗で売り上げを拡大したいと考えていました。

同社は2023年5月からキャンペーンを1か月実施。その結果、以下のことが分かりました。

  • 来店あたりのコスト:0.05米ドル
  • 来店客数の伸び:15.03%(コントロールグループとの比較)
  • 来店客の過半数はモバイル経由(72.6%)
  • 来店客の性別:男性が66.14%
  • 最多の年齢層:18~24歳(訪問者全体の45.15%)
  • 主要な競合他社は3社特定。そのうちの1社はクライアントのオーディエンスと大きく重複。顧客が両方のブランドで買い物をする傾向があることを示唆。

来店客数を測定することで、実店舗とオンラインの間で戦略を統一する助けになります。その詳しい仕組みについては、ぜひ弊社にお問い合わせください。