Googleディスプレイネットワーク(GDN) vs. プログラマティック広告

Googleディスプレイネットワークとプログラマティック広告の違いがよく分からない――このような悩みを抱えているのは、あなただけではありません。これら2つのプラットフォームは同じものだと誤解されることが多いのですが、それぞれに長所と短所があります。2つの違いを理解することで、キャンペーンを行うにあたり最適な判断を行い、デジタル広告のパフォーマンスを最大に高めることができます。

ここではGoogleディスプレイネットワーク(GDN)とプログラマティック広告の、知っておくべきことについて解説いたします。

まずは、プログラマティック広告とGDNについてご説明します。

GDNは、Google ディスプレイネットワークを介して配信可能なウェブサイトに広告を配信できるアドネットワークです。

プログラマティック広告は、複数のアドエクスチェンジとアクセスできるベンダーと広告主が連携し、GDNを含む複数のアドネットワークで広告を配信します。

Googleディスプレイネットワーク(GDN)は、Googleに登録されているパートナー(推定300万以上のウェブサイト)へのアクセスを提供しています。

一方、プログラマティック広告を活用すると、複数のアドエクスチェンジへの配信が可能となります。GDN以外にもIndex Exchange、Pubmatic、Xandrなどのオーディエンスへもリーチを拡張でき、2億を超えるアクティブなウェブサイトへの広告配信が可能です。

つまり、より広範囲なリーチを望む場合には、当然のことながらプログラマティック広告が最適といえます。

GDNとプログラマティックの類似点は?

GDNは、プログラマティック広告の導入編と考えることができます。両者はさまざまな点で似通っており、対象とするオーディエンスにメッセージを届けるという共通の目標に向かって機能します。

  • コンセプト:GDNとプログラマティック広告はどちらも、ターゲットとするオーディエンスに配信するためにオークション形式で入札するプラットフォームです。
  • プレースメント:どちらも、ディスプレイ広告と動画広告の両方を運用できます。
  • ターゲティング:どちらのプラットフォームにも、基本的なターゲティングオプションが用意されています。デモグラフィック(性別や年齢などの属性)、行動、興味関心、サイトのトピックなどに基づいて、特定のオーディエンスをターゲットにすることができます

詳しくは、プログラマティック広告に関する動画(3分間)をご覧ください。

では、GDNとプログラマティック広告の相違点は?

1)利用できる広告フォーマットは、プログラマティックの方が豊富

GDNはディスプレイ広告と動画広告(主にYouTube)の広告在庫にのみ配信可能です。一方、プログラマティック広告ではコネクテッドTV(CTV)、オーディオ、デジタルOOH(DOOH)などの配信面も活用できます。動画広告についても、YouTube以外にTeads、Unruly、SpotXなど他のアドネットワークの広告枠にも配信可能です。

2)プログラマティック広告は、より効率的なターゲティングが可能

GDN はGoogle の一部であるため、オーディエンスのターゲティングはGoogle を通して配信可能な対象に限られます。一方、プログラマティック広告のベンダーは、独自にオーディエンスを取得していたり、データマネジメントプラットフォーム(DMP)に接続して適切なオーディエンスを見つける機能を備えていることが多いです。

さらに、プログラマティック広告キャンペーンでは、広告がボットではなく人間へと確実に配信されるようにするため、ブランドセーフティやアドフラウドの対策を講じることができますが、GDN ではできません。これらの対策によってブランドを毀損から守り、広告が人間のみに対して表示されるため広告予算を無駄にせずに済むのです。(詳しくはこちらをご覧ください)

GDNでは、キャンペーンの最適化は自動的に行われます。機械学習は常に改善しているものの、人間の方がより適切で迅速な意思決定を行えるという場面はまだ多くあります。ベンダーにもよりますが、弊社では、最適なパフォーマンスを達成できるよう広告キャンペーンを担当する専門のトレーダーが在籍しています。

3)プログラマティック広告は、よりクリエイティブなバナー活用が可能

動的クリエイティブの最適化(DCO)は、クリエイティブやメッセージをリアルタイムで出し分けて、キャンペーンのパフォーマンスを最適化することができます。GDN では、DCO をリターゲティングの目的にのみ利用でき、オーディエンスの興味やサイト訪問履歴をもとにエレメントを動的に配信します。

しかしDCOの能力は、それよりもはるかに高いものです。プログラマティックではDCO によって的確なオーディエンスに、的確なタイミングと場所で、最も関連性の高いメッセージを届けることができます。オーディエンスの興味やサイト訪問履歴以外にも、位置情報、曜日や時間帯、言語、通貨など、さまざまな要素によって広告コピーやクリエイティブを変化させることができます。

GDN では標準的なテンプレートが用意されており、広告を配信するには画像や動画、テキスト を手動で追加する必要があります。一方のDCOでは、広告は動的に変化し、人間によるインプットは必要ありません。広告は天候に応じて変化したり、位置情報をもとに最も近い実店舗を表示することが可能です。
DCOの事例については、こちらをご覧ください。

4)プログラマティック広告では、より総合的なレポートが入手可能

GDN のレポートは、キャンペーンのパフォーマンスに関する基本的な情報を提供するもので、ダッシュボードから直接ダウンロードできます。

プログラマティック広告のレポートは、ベンダーごとにフォーマットが異なりますが、ほとんどのベンダーには専任の顧客サービスチームがあり、次のキャンペーン実施時に活用できるインサイトやレコメンデーション、アクションのためのポイントなどを提供してくれます。

GDNとプログラマティック広告、どちらを選ぶべきなのでしょうか?

何よりもまずお伝えしたいのは、上述したような内容は必ずしもGDNが「悪い選択」であるという意味ではないという点です。特に予算が限られている場合、Googleディスプレイネットワークは費用を抑えた導入編として優れているでしょう。また不慣れな人にとっても、GDNの方がさまざまなオプションを使いこなしやすいようです。最も重要なのは、すべての広告活動に明確なメッセージと、優れたコンテンツ、力強い戦略があることです。

さらに詳しい内容についてご興味をお持ちの方は、包括的なガイドをこちらからダウンロードいただけます。

ただし、予算が許すようであればプログラマティック広告はより良い選択肢となります。キャンペーンをよりコントロールでき、広範な規模でより優れたターゲティングが可能だからです。

旅行、小売、金融――どのような業界の方にも、プログラマティック広告には大きなメリットがあります。キャンペーンのパフォーマンスを向上させたい、そしてプログラマティック広告を試してみたいとお考えの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。